分福

Profile

西川 美和
西川 美和(にしかわ みわ) 映画監督

1974年、広島県出身。早稲田大学第一文学部卒。在学中に是枝裕和監督作『ワンダフルライフ』(99)にスタッフとして参加。フリーランスの助監督として活動後、02年に平凡な一家の転覆劇を描いた『蛇イチゴ』でオリジナル脚本・監督デビュー。第58回毎日映画コンクール・脚本賞ほか。

06年、対照的な性格の兄弟の関係性の反転を描いた長編第二作『ゆれる』を発表し、第59回カンヌ国際映画祭監督週間に出品。国内で9ヶ月のロングラン上映を果たし、第58回読売文学賞戯曲・シナリオ賞ほか。また撮影後に初の小説『ゆれる』を上梓した。

09年、僻地の無医村に紛れ込んでいた偽医者が村人からの期待と職責に追い込まれてゆく『ディア・ドクター』を発表。本作のための僻地医療の取材をもとに小説『きのうの神さま』を上梓。

11年、伯父の終戦体験の手記をもとにした小説『その日東京駅五時二十五分発』を上梓。12年には火災で一切を失った一組の夫婦の犯罪劇と、彼らに取り込まれる女たちの生を描いた『夢売るふたり』を発表。

15年、小説『永い言い訳』を上梓、初めて原作小説を映画製作に先行させた。16年、映画『永い言い訳』を発表。

連載中のエッセイに、「映画にまつわるxについて」(J-novel/実業之日本社)、「遠きにありて」(Sports Graphic Number/文藝春秋)がある。

作品紹介

永い言い訳

『永い言い訳』(2016)

・第41回トロント国際映画祭 スペシャル・プレゼンテーション部門
・第21回釜山国際映画祭 A Window of Asian Cinema部門
・第11回ローマ国際映画祭 オフィシャル・セレクション部門
・第71回毎日映画コンクール 監督賞・男優主演賞
・第80回キネマ旬報ベスト・テン 助演男優賞 他

作品解説
人気作家として成功した衣笠幸夫は、長年連れ添った妻を不慮の事故で亡くしてしまう。悲劇の代弁者としてマスコミに取り上げられる一方で、幸夫はその死に涙を流すことができなかった。次第に周囲との孤立を深めてしまう幸夫は、同じ事故で亡くなった妻の親友の遺族――トラック運転手の陽一と二人の子供たち――と出会う。唐突な思いつきから子供たちの世話を申し出たことで、虚ろだった幸夫の日常は少しずつ輝き出すのだが・・・。

<キャスト>
本木雅弘 竹原ピストル 藤田健心 白鳥玉季
堀内敬子 池松壮亮 黒木華 山田真歩 深津絵里

公式サイト:http://nagai-iiwake.com/
夢売るふたり

『夢売るふたり』(2012)

・第37回トロント国際映画祭
  スペシャル・プレゼンテーション部門 招待
・第27回高崎映画祭 最優秀監督賞・最優秀主演女優賞
  最優秀助演女優賞
・第22回東京スポーツ映画大賞 主演女優賞 他

作品解説
東京の片隅で小料理屋を営む、腕が確かな料理人・貫也とその妻・里子。だがある日、火災で店が全焼し、夫婦はすべてを失ってしまう。もう一度自分たちの店を持つという夢を叶えるため、里子はふとしたきっかけで結婚詐欺を思いつく。実家暮らしのOL、男運の悪いソープ嬢、孤独なウエイトリフティング選手、幼い息子を抱えたシングルマザー。計画は順調に進み金は貯まっていくが、嘘の繰り返しは次第に二人の間にさざ波を立て始めていた…。早朝の市場から始まる東京の風景も心に染み入る、一組の小さな夫婦の物語。

<キャスト>
松たか子 阿部サダヲ 田中麗菜 鈴木砂羽 安藤玉恵 江原由夏
木村多江 やべきょうすけ 大堀こういち 倉科カナ 伊勢谷友介
古館寛治 小林勝也 香川照之 笑福亭鶴瓶

公式サイト:http://yumeuru.asmik-ace.co.jp/
ディア・ドクター

『ディア・ドクター』(2009)

・第33回モントリオール世界映画祭コンペティション部門 招待
・第83回キネマ旬報ベスト・テン 日本映画ベスト・テン第1位 等
・第31回ヨコハマ映画祭 作品賞・監督賞・脚本賞・撮影賞
・第19回東京スポーツ映画大賞 主演男優賞・監督賞 他

作品解説
山合いの小さな村で唯一の医師として慕われている男が突然、謎の失踪を遂げた。警察も捜査に乗りだすなかで、やがて彼の不確かな身元が露わになってくる。そして村に暮らすひとりの未亡人の診察をめぐり、失踪事件は思わぬ方向へ…。緑の棚田が美しい田舎の田園風景とともに人間の可笑しさ、愚かさに深く寄り添った極上の人間ドラマ。自身の体験に着想を得た、劇場長編第3作目。

<キャスト>
笑福亭鶴瓶 瑛太 余貴美子 井川遥 松重豊 岩松了 笹野高史
中村勘三郎 香川照之 八千草薫

公式サイト:http://deardoctor.jp/

『ユメ十夜』短編(2007)

 

作品解説
夏目漱石の幻想短編集『夢十夜』を10人の監督・キャスト陣で映画化したオムニバス・ムービーより、第九夜を映像化。

<キャスト>
緒川たまき ピエール瀧 渡邊奏人
ゆれる

『ゆれる』(2006)

・第59回カンヌ国際映画祭 監督週間正式出品
・第61回毎日映画コンクール 日本映画大賞・録音賞
・第49回ブルーリボン賞 監督賞・助演男優賞
・第58回読売文学賞戯曲・シナリオ賞 他

作品解説
東京で写真家として成功する猛は母の一周忌で久々に帰郷し、兄の稔が営む実家のガソリンスタンドで幼馴染みの智恵子と再会する。翌日、兄と智恵子、猛の三人で遊びに出かけた渓谷で、吊り橋から流れの激しい渓流へ智恵子が落下してしまう。そのとき彼女の傍にいたのは稔ひとりだった。事故か、事件か。やがて裁判が始まり、兄弟の人生がゆれ動く・・・。繊細かつ大胆に人間の感情に迫った劇場長編第2作。

<キャスト>
オダギリジョー 香川照之 伊武雅刀 新井浩文 真木よう子
木村祐一 ピエール瀧 田口トモロヲ 蟹江敬三

公式サイト:http://www.yureru.com/

『女神のかかと』短編(2005)

 

作品解説
女性作家5人が“女性”をテーマに映画のために書き下ろした原作を映像化したオムニバス・ムービー『female<フィーメイル>』より、乃南アサの「女神のかかと」を映像化。

<キャスト>
大塚寧々 森田直幸 藤原希
蛇イチゴ

『蛇イチゴ』(2003)

・第3回東京フィルメックス コンペティション部門出品
・2002年新藤兼人賞 優秀新人監督賞
・第58回毎日映画コンクール 脚本賞・スポニチグランプリ新人賞
  他

作品解説
幼いころから成績もよく真面目な倫子は同僚である小学校教師の恋人との結婚も控え、順風な生活を送っていた。だが痴呆のすすんだ祖父の葬式に10年間行方知れずだった兄の周治が現れたことで、家族の暮らしは一変する。正義感の強い妹とインチキを絵に描いたような兄という対照的な兄妹の関係を軸に、平凡な家庭の崩壊と再生のきざしを描いたホームドラマ。是枝裕和監督によるプロデュース、自身のオリジナル脚本による劇場長編デビュー作。

<キャスト>
宮迫博之 つみきみほ 平泉成 大谷直子 手塚とおる 絵沢萌子
寺島進 笑福亭松之助

公式サイト:http://www.kore-eda.com/hebiichigo/
映画『永い言い訳』にまつわるxについて

『映画『永い言い訳』にまつわるxについて』

実業之日本社
月刊J-novelで連載中の西川によるエッセイ「映画にまつわるXについて」から、「永い言い訳」に関するエピソード10編を集め電子書籍として限定発売。映画メイキング写真を多数収録。
https://www.paburi.com/paburi/bin/product.asp?pfid=28482-121101692-001-001

永い言い訳

『永い言い訳』

文藝春秋社
突然家族を失った者たちは、どのように人生を取り戻すのか。
人間の関係の幸福と不確かさを描いた物語。
http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163902142
・第28回山本周五郎賞候補
・第153回直木賞候補
・2016年本屋大賞第4位

映画にまつわるXについて

『映画にまつわるXについて』

実業之日本社
「月刊J-novel」連載中の「映画にまつわる」雑記と、その他過去7年分のエッセイを収録。
http://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-53623-1

夢売るふたり 西川美和の世界

『みどりの春』

文藝春秋社
映画『夢売るふたり』には登場しなかったもうひとりの女性を描いた短編小説。「夢売るふたり 西川美和の世界」所収
http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163755908

その日東京駅五時二十五分発

『その日東京駅五時二十五分発』

新潮社
19才の少年通信兵は、一度も戦場に出ないまま、8月13日に敗戦の事実を知らされる。
自身の伯父の終戦体験の手記をもとにした中編小説。
http://www.shinchosha.co.jp/book/332581/

きのうの神さま

『きのうの神さま』

ポプラ社
『ディア・ドクター』の脚本執筆時に行った取材から生まれた連作短編集。第141回直木賞候補作。
http://www.poplar.co.jp/shop/shosai.php?shosekicode=80005340

名作はいつもアイマイ 溺レル読書案内

『名作はいつもアイマイ
 溺レル読書案内』

講談社
古今の文豪10人とその作品世界を語ったブックレビュー集。
http://bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2147297

ゆれる

『ゆれる』

ポプラ社
登場人物それぞれの視点が章を分けて綴られ、映画とはまた趣向の異なった物語が堪能できる。第20回三島由紀夫賞候補作。
http://www.poplar.co.jp/shop/shosai.php?shosekicode=80002620

『駆込み訴え』(2010)

NHK BS2
太宰治の名作短編を映像化する「太宰治短編小説集」より。聖書で知られるキリストの使徒ユダの告白を太宰独特の感情表現で表した「駆込み訴え」を、現代の日本の女子高生をモチーフに映像化。

<キャスト>
清水くるみ 日南響子 朗読:香川照之

『いま裸にしたい男たち/宮迫博之~
 32歳 笑われなくなった日』(2003)

NHKハイビジョンスペシャル
ATP賞・ドキュメンタリー部門優秀賞

『蛇イチゴ』で主演を務めた芸人・宮迫博之を追った、人物ドキュメンタリー番組「いま裸にしたい男たち」のシリーズ。「あなたの笑いが、将来世間に受け入れられなくなったら」という、芸人にとっての生命線に切り込んだ作品。ドキュメンタリーとドラマ構成が交差する手法で演出された。

<出演>
宮迫博之

『KEEP WALKING』(2012)

JOHNNYWALKER『KEEP WALKING THEATRE』プロジェクト

“KEEP WALKING”をテーマとして、6名の映像クリエイターがそれぞれの視点と発想で撮り下ろした映像プロジェクトより。六代目桂文枝襲名直前の桂三枝の姿を切り取ったショートドキュメンタリー。お茶の間で広く受け入れられて来たタレントとしての姿とは異なる、桂三枝の歩き方。古典ではなく、「創作落語」というジャンルを突き詰め続けた理由とは。

<出演>
桂三枝